肺陰虚(はいいんきょ)
肺の潤いが低下したタイプ
肺陰虚(はいいんきょ)は、肺の水分が足りなくなっている状態です。
乾いた咳が出やすく、のどの渇きも感じます。声がかすれる人もいるでしょう。
東洋医学では、自然界のあらゆるものを陰と陽に分けて捉えます。陰虚(いんきょ)とは、身体の中から陰の成分、つまり潤いが減っていることを表していて、そのぶん余った陽が熱を生み、陰虚に特有の手足のほてりや寝汗といった症状が出てきます。
ツボを刺激して体内の熱を冷まし、乾いた肺を潤していきましょう。
●あなたに合ったツボ
①尺沢(しゃくたく)
肘を90度に曲げたときに触れる腱の外側にある凹んだところ。親指で円を描くようにマッサージします。指で押してみてとくに痛みを感じる部分に米粒を載せ、医療用テープで留めてもいいです。肺の熱をとり、咳を鎮めます。
②復溜(ふくりゅう)
内くるぶしから指3本分(親指と小指をのぞく)の幅上がった高さで、アキレス腱の前縁。親指でやさしく押して気持ちのいいところで5秒くらいとめ、ゆっくり戻します。指で押してみてとくに痛みを感じる部分に米粒を載せ、医療用テープで留めてもいいです。体内の潤い成分を増やします。


③肺経(はいけい)
肩の前あたりから、親指と人差し指に向けてカッサ(凸部)でマッサージします。肺を元気にします。
●ワンポイントアドバイス
身体を潤し、粘膜を保護しましょう
陰虚とは、身体を潤す陰の成分が足りない状態で、40代以降になると急速に増えてきます。ほてりやのぼせ、目やのどの乾き、乾燥肌など、いわゆる更年期症状と重なる部分が多いのも特徴です。
湿度の高い夏から急に乾燥が激しくなる秋はとくに要注意。ストレスや疲労、喫煙も陰を減らす原因になります。
陰は年齢を重ねるとしだいに減ってきますが、適切な食事と十分な睡眠により減るスピードを遅らせることはできます。
身体に潤いを与える食材としてはトマトや豆腐のほか、いちごや梨、りんごなどのフルーツもおすすめです。
のどの渇きや炎症があるときは、大根をおろしたしぼり汁にハチミツを加えて飲むと、肺が潤い、のどの症状も軽減します。
風邪をひきやすい人は、朝晩にココナッツ油などでオイルでうがいをするといいでしょう。オイルがのどの粘膜を保護してウイルスや細菌から守ってくれます。