脾陽虚(ひようきょ)
冷え性でお腹が弱いタイプ
自然界は2つの対称的なもので構成されており、それを「陰陽(いんよう)」と呼びます。たとえば、火は陽で水は陰、男は陽で女は陰といったように、あらゆるものが陰と陽に分けられます。
身体の中にも陰と陽の2つが存在していて、どちらも欠くことはできず、陰陽の調和のうえに健康が成り立つと東洋医学では考えます。
脾陽虚(ひようきょ)とは、消化器系をつかさどる脾の機能低下と陽気不足の冷えがある状態。食欲不振、食後の腹脹、腹痛、軟便、下痢といった症状が出てきます。
身体を温める力が足りないため、寒くなってきたり、クーラーに当たったりすると症状が悪化します。ツボ刺激で体内の冷えを追い出し、温かくめぐりのよい身体を目指しましょう。
●あなたに合ったツボ
①関元(かんげん)
おへその真下で、指4本分(親指をのぞく)の幅下ったところ。お灸で陽気を補います。
②足三里(あしさんり)
膝のお皿の下から指4本分(親指をのぞく)の幅下の高さで外側に指をすべらせて凹んだところ。親指でやさしく押して気持ちのいいところで5秒くらいとめ、ゆっくり戻します。お灸をするのも効果的です。消化を促進して胃腸を元気にします。


③仙骨部
お尻の上のほう、尾てい骨に続く三角形の骨のあたりをドライヤーや少し熱めのシャワーで温めます。棒灸も効果的です。陽気を補います。
●ワンポイントアドバイス
温かく消化によいものを腹八分目で
脾陽虚タイプの人は、もともと暴飲暴食などしない方が大半だと思いますが、脂っこいものや味の濃いものは避け、温かく消化によいものを腹八分目でいただくように心がけてください。
脾が弱ってくると筋肉が痩せてきて、冷えの症状がますます悪化します。お腹や腰を冷やさないように腹巻きをするなどして身体を温めてあげましょう。
しょうがやシナモンなど身体を温める作用のある食材を取り入れるのもよいでしょう。
甘いものは控えて、三度の食事をもうちょっと食べたいなというところでやめておくと、次第に胃腸が元気になってきます。
腹張や膨満感がある方は、食後に20分ほど歩くと消化が進みます。
食欲がない方は、温かい日差しを浴びながらお散歩してみましょう。うっすら汗をかく程度の有酸素運動は胃腸を活性化してくれます。