前回は、春に出やすい症状として頭痛を取り上げました。
今回は、咳や喉の炎症に効くツボをご紹介したいと思います。

咳が出るのは、五臓の肺が弱っているせいです。
肺経のツボとともに、気管支や喉に近い局所穴を刺激して咳を鎮めましょう。
尺沢(しゃくたく)
肘を90度に曲げたときに触れる腱の外側にある凹んだところ。親指で円を描くようにマッサージします。指で押してみてとくに痛みを感じる部分に米粒を載せ、医療用テープで留めてもいいです。咳を鎮めます。

身柱(しんちゅう)
頭を前に傾し、人差し指で頚椎を下りていきもっとも隆起している骨の下の凹んだところ(頸椎の一番下で胸椎の直上)から脊柱の凹みを数えて4番目の凹み。肩甲骨が内側にもっとも張り出している部分を左右で結んだラインと脊柱が交わるあたり。指で押してみてとくに痛みを感じる部分に米粒を載せ、医療用テープで留めます。気管支の調子を整えます。

肺は乾燥に弱いので、マスクや加湿器を使い乾燥を防ぐことが大切です。
湿度は上がってきましたが、まだまだ乾燥する日も多いですから、咳が出やすい方は普段から湿度をチェックする習慣をつけておいたほうがいいですね。
喉の炎症による痛みやかゆみも肺と関係があるので、上記の尺沢(しゃくたく)を刺激しましょう。
さらに喉に近いツボ、天突(てんとつ)を刺激すると効果的です。
天突(てんとつ)
のどに人差し指を置きそのまま下にすべらせて、硬い骨に当たる前の凹んだところ。人差し指でやさしく押して5秒くらいとめ、ゆっくり戻します。指で押してみてとくに痛みを感じる部分に米粒を載せ、医療用テープで留めてもいいです。喉の痛みをやわらげます。

天突には、咳を止める作用もあるので、身柱に米粒テープを貼りづらいようでしたら、天突に貼っていただいても大丈夫です。
喉の炎症が起きやすい方は、口呼吸になっている可能性も。
口呼吸は喉の炎症に限らず、鼻炎、消化器系の不調、慢性疲労などさまざまな弊害がありますから、一刻も早く治すべき!
といっても、自分では意識しないうちに口呼吸になっている場合がほとんどなんですよね。
口呼吸対策として即効性があるのは、就寝前に医療用テープを口に貼って、口が開かないようにして寝ること。
口呼吸の方は鼻炎持ちが多く、鼻の通りが悪いせいで口呼吸になってしまっているからしかたないとお考えかもしれませんが、意外と口を閉じた状態でも朝までぐっすり眠れます。むしろ、そのほうが熟睡感が増すはずです。強制的に鼻呼吸にすることで、鼻を使えるようになり鼻の症状も軽減していくでしょう。
咳がひどいときや鼻づまりのときは難しいかもしれませんが、寝ているあいだ喉を守ることができるため喉の炎症が悪化するのを防げます。ただし、肌の弱い方はテープでかぶれないように注意しましょう。
口呼吸を治すことはとても重要なので、また別の機会に詳しく取り上げますね。
次回は、肩こりの特効ツボをご紹介します!