春は風邪(ふうじゃ)の影響でとくに頭部に症状が現れやすくなります。
風邪の特性として、上へ外へと向かう傾向があるため、人体の上部や体表、肺などに影響が出やすいのです。
頭痛、咳、喉の痛み、にきびや吹き出物、肩や首のコリなど。
今日から数回にわたって、春に多い症状を軽減するための特効ツボをご紹介したいと思います。

今日は、多くの人が悩まされる頭痛を取り上げます。
頭痛は、どこが痛むかによって使うツボが変わってきます。
ちょっと判断しづらいこともあるかもしれませんが、下記からいまの症状に一番近いものを選んでください。頭部が全体的に痛いという方は、もっとも痛む部分を選んでいただければOKです。
①頭頂部
②耳の上からこめかみのあたり
③額のあたり
④首から頭の後ろにかけて
⑤目の奥に響くような痛み
では、①〜⑤までそれぞれ解説していきます。
①の頭頂部を選んだ人は、ストレスが原因となっていることが多いと考えられます。気の流れが悪くなって、身体に熱が発生し、その熱が上部に上がって悪さをしている状態です。普段から深呼吸やストレッチを取り入れて、気のめぐりが悪くならないように意識しましょう。さらに、ストレスと関わりの深い肝経の経絡を疎通する行間(こうかん)を刺激すると効果が期待できます。
行間(こうかん)
足の親指と人差し指の間のみずかきのすぐ後ろ。溝の間に親指を入れ上下に動かしてマッサージします。指で押してみてとくに痛みを感じる部分に米粒を載せ、医療用テープで留めてもいいです。頭痛をやわらげます。

②耳の上からこめかみのあたりを選んだ人は、両側から締め付けられるように痛みが出ることが多く、とくにこめかみあたりの痛みがひどくなります。こめかみには太陽というツボがありますから、ここを親指でゆっくり押してゆっくり戻すを繰り返してみましょう。さらに、胆経の経絡を疎通する地五会(ちごえ)を刺激すると効果が期待できます。
地五会(ちごえ)
足の薬指と小指の付け根にそれぞれあるぼこっとした骨の間。溝の間に親指を入れ上下に動かしてマッサージします。指で押してみてとくに痛みを感じる部分に米粒を載せ、医療用テープで留めてもいいです。頭痛をやわらげます。

③額のあたりを選んだ人は、胃腸の不調と関係していることがあります。食べ過ぎや飲み過ぎに心当たりのある方は、食生活にも気をつけてみてください。お酒はひかえ、いつもより量を減らして消化によいものを食べましょう。さらに、胃経の経絡を疎通する内庭(ないてい)を刺激すると効果が期待できます。
内庭(ないてい)
足の人差し指と中指の間のみずかきのすぐ後ろ。溝の間に親指を入れ上下に動かしてマッサージします。とくに痛みを感じる部分に米粒を載せ、医療用テープで留めてもいいです。頭痛をやわらげます。

④首から頭の後ろにかけてを選んだ人は、背中の過緊張が原因となっていることが多いです。ずっと座りっぱなしでいるのはよくありません。仕事中だとしても、少なくとも1時間に一回は手を休めて、背伸びをしたり、首や肩を回したりしてストレッチしましょう。さらに、膀胱経の経絡を疎通する崑崙(こんろん)を刺激すると効果が期待できます。
崑崙(こんろん)
外くるぶしとアキレス腱の間の凹んだところ。親指で円を描くようにマッサージします。指で押してみてとくに痛みを感じる部分に米粒を載せ、医療用テープで留めてもいいです。頭痛をやわらげます。

⑤目の奥に響くような痛みを選んだ人は、スマホやパソコンによる目の酷使が後頚部の過緊張を引き起こし、それが頭痛につながっている場合が多々あります。頭痛が治るまではなるべくスマホはお休みして、目と首を休ませてあげましょう。さらに、目と関わりの深いツボ風池(ふうち)を刺激すると効果が期待できます。
風池(ふうち)
後頭部の真ん中にある凹みを確認し、その横にある筋肉を隔てた外側の凹み。10~15本程度の爪楊枝を輪ゴムでまとめ、ツンツン刺激します。親指または人差し指で円を描くようにマッサージしてもいいです。頭痛をやわらげます。

いかがでしたでしょうか。
米粒を医療用テープで留める自家製の円皮鍼は、30分くらいすると効果が出てくると思います。
次回は、咳、喉の痛みの特効ツボをご紹介します。