いつもどおりお迎えに行っても「遅い~」と言われるくらい日が暮れるのが早くなり、朝夕だけでなく日中も涼しい日が多くなってきました。これからゆっくりと秋に向かっていくのでしょうね。
というわけで今回は、お肌の乾燥やインフルエンザをシャットアウトし、美と健康を保ちながら気持ちよく秋を迎えるための養生法をお伝えしたいと思います。
秋は「肺」のダメージを防ぐべし
東洋医学では、秋は肺にダメージを与える季節とされます。
それは、肺が乾燥に弱い臓だからです。
そして肺は嬌臓(きょうぞう)とも言われます。
嬌とは「もろい」「弱い」という意味。つまり、肝・心・脾・肺・腎の五臓のうちもっとも外邪(暑い寒いなどの環境変化やウイルスなど)の影響を受けやすい臓腑なのです。
肺の症状としては、咳、痰、肌荒れなどがありますから、秋になるとこうした不調が出るという方はいまのうちから養生することで、いつもよりスムーズに季節の変わり目を過ごせると思います。
この時期におすすめのツボは3つ
①尺沢(しゃくたく)
尺沢は肺経のツボの中でもとくに咳止めのツボとして有名です。沢は水の集まるところを意味し、貯まりすぎた肺気を外に出すときによく使われます。

②合谷(ごうこく)
合谷といえば、肺経の表裏である大腸経のツボ。
「面口は合谷に収む」という言葉がありますが、もともと万能なツボで、とくに顔面まわりの諸症状や口内、歯の疾患に効くとされます。
秋に合谷をおすすめする理由は、肺経の次にくる大腸経の経絡に属するから。合谷を刺激することで、肺にたまった外邪を大腸経を使ってカラダの外に出すのです。

③陰陵泉(いんりょうせん)
陰陵泉は脾経にあり水分代謝を整える作用のあるツボです。
肺は貯痰の器とも呼ばれます。それに対し、生痰の源と呼ばれるのが脾。
肺に痰を貯めないためには上流の脾で痰が生まれるのを防げばいいという考えです。
とくに頭痛、のぼせ、ニキビなど当顔面部に症状が出やすい人、むくみがちな人は合谷より陰陵泉を刺激するようにしてみてください。体質的にそのほうが合っています。

肺を元気にしてカラダを守ろう
肺は華蓋(かがい)という言葉があります。
華蓋(かがい)とは、中国でそのむかし皇帝が乗る車に取り付けた傘のこと。臓腑の中で一番上にある肺をその傘にたとえ、外邪の侵入を防ぐ役目を担うとしています。
肺が元気なら、ちょっとやそっとのウイルスや乾燥には負けないはず!
しかし、アレルギー体質の方や肌が弱い方、普段から風邪を引きやすい方は肺が弱っていることが多いので、上記のツボを普段から意識して刺激し、肺を元気にしていきましょう。
また、肺は皮膚と強い相関がありますので、肺が悪いと皮膚や粘膜に症状が出やすくなります。逆もしかりで、乾布摩擦などで皮膚を鍛えることにより風邪を予防することもできます。肌にトラブルがない場合はぜひお試しください。
肌をこするにはカッサもいいですよ。
どの経絡をこすったらいいか、体質診断を受けて判断するとより効果が出ると思います。
体質診断はこちら
なんといっても深呼吸
ここまで、秋に向けての養生法をいろいろご紹介してきましたが、一番手軽で一番おすすめなのはなんといっても深呼吸です。
肺といえば呼吸を司る臓腑ですから当然といえば当然。でも、当たり前過ぎて普段意識することがないんですよね。でも呼吸ってすごいんです! 通常自分ではどうすることもできない自律神経を整えることもできます。ぜひ普段から意識的に深呼吸を取り入れてみてください。
起床時は、交感神経を刺激する胸式呼吸で肺にたっぷりと新鮮な空気を送りましょう。窓を開け、陽射しを浴びながら大きく深呼吸。幸せホルモンのセロトニンもたっぷり出て夜もぐっすり眠れるようになります。ラジオ体操の深呼吸は自然と胸が開くので実はとても理にかなっています。
就寝前は横になって腹式呼吸。下腹部に手を置き、おへそをふくらませるように鼻から吸って少し止め、口から細い息でゆっくり吐き出していきます。副交感神経が優位になりスムーズな入眠も期待できます。
肺を潤す食べものとしては大根がおすすめ。
大根おろしにするとより効果が高く、消化酵素をたっぷり含んでいるので胃腸も元気になります。

早めに養生を実践して乾燥から肺を守り、運動に、読書に、食に、めいっぱい秋を満喫しましょう!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!